以前は「へバーデン結節の治療法はない」と言われていましたが、最近は痛みに効果的な治療法が確立されつつあります。
指の第1関節が変形する!? へバーデン結節とは?
へバーデン結節とは、手の指の第一関節(爪のすぐ下にある関節)に腫れ・変形・痛みなどの症状が出る病気です。
へバーデン結節の推定患者数は3000万人といわれており、年齢が高いほど罹患率は高くなります。
当院に相談されにくる患者様(40代~60代)も、50代では28% 60代では35% も発症することになります。
以前は痛みの症状で受診しても『加齢だから仕方ない』などと言われることが多かったのですが、最近はへバーデン結節を治療可能となりました。
要注意!へバーデン結節の症状チェックリスト
へバーデン結節になるのは、基本的に人差し指・中指・薬指・小指の4本
親指がなるのは非常にまれです。
1本だけで終わる人もいれば、数本の指が同時にへバーデン結節になる人もいます。
痛みの強さにも個人差があり、ほとんど痛みを感じない・痛みを感じるのは短期間という人がいる。
一方で、安静にしていても痛みを感じる・10年以上痛みが続く人もいるそう。
いつ治るかわからない、というのがへバーデン結節のつらさです」 へバーデン結節になると、日常のちょっとした動作で痛みが出ます。
■へバーデン結節チェックリスト
□ 指の第一関節に小さなこぶ(結節)ができている
□ 指の第一関節が腫れている 指が曲がったまま、または第一関節が左右にずれたように変形している
□ 手の指を動かすと第一関節が痛む 指先にしびれがある
□ 指先に水や紙、パソコンのキーボードなどに触れると激痛が走る
□ ペットボトルやびんのふたが痛くて開けられない 指が痛くて手を握れない
□ 指がこわばって動かしにくい 朝起きたとき、指に違和感がある
※2つ以上該当する項目があれば、すでにへバーデン結節を発症している、もしくは今後なる可能性が高い状態といえます。
へバーデン結節の痛みの原因1:女性ホルモンの減少
指の第一関節の変形の発生率は、男女で差がないそう。
しかし、痛みの出方には大きな男女差があるそう。
へバーデン結節で痛みを訴えるのは、圧倒的に女性が多いという特徴があります。
その理由は、へバーデン結節の痛みのメカニズムにありました。
へバーデン結節の直接の原因は、明らかになっていません。指の使い過ぎや加齢、食生活、体質の遺伝など、複数の要素が複雑に絡みあっていると考えられています。
女性ホルモンがへバーデン結節の痛みと深く関わっていることがわかってきました
女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンの2種類がありますが、へバーデン結節に関係するのはエストロゲンの分泌量です。 エストロゲンには、腱や関節を包む滑膜の炎症や腫れを抑える作用があります。
更年期になり卵巣の機能が低下すると、エストロゲンの分泌量が減少します。
腱や滑膜の炎症、腫れが常態化し、手指にこわばりが生じます。これが、へバーデン結節の一因です
また、エストロゲンは、痛みを軽減する働きもあるため、分泌量が減少すると、痛みを感じやすい状態になります。
更年期障害による疲労や睡眠不足も、へバーデン結節の痛みを感じやすくなる原因です。
へバーデン結節の痛みの原因2:モヤモヤ血管
セルフケア
へバーデン結節は進行性の病気なので、いったんモヤモヤ血管が減っても、指を酷使するなど、生活習慣によっては再発するリスクもあります。そのため、自分でできるセルフケアで、症状の悪化防止・再発防止に努めることが大切です。
■へバーデン結節のセルフケア1:テーピング モヤモヤ血管への血流をゆるめると、神経線維への刺激が抑えられるため、痛みを緩和できます。
■へバーデン結節のセルフケア2:魚中心の食事に変える
■へバーデン結節のセルフケア3:血管に良いエイジングケア
その他、有酸素運動やストレッチで適度に体を動かすこと、ストレス解消を意識することも、へバーデン結節の痛みの改善につながるそう。
特に、当院が行うセルフトレーニングは痛みの改善に効果が期待できます。
へバーデン結節のように長引く痛みの場合は、痛いからといってまったく動かさないのは逆効果です。
痛みが出ない範囲で運動するよう心掛けましょう。
へバーデン結節は、「治らない病気」から「治療が可能な病気」へと変わってきています。長年へバーデン結節の痛みに悩んできたという人も、ここで紹介した治療法・セルフケアを参考に、痛みの解消に向けて一歩踏み出してみませんか?